血液ガス分析とは:血液中に含まれる酸素や二酸化炭素の量、あるいはpHを測定する検査です。
【血液ガス検査の目的】
① 呼吸の状態を調べる
動物は体内で酸素を消費し、そこで発生した二酸化炭素は血液(静脈血)に乗って肺に運ばれ、呼吸によって放出されます。また呼吸によって酸素を血液中に取り込んでいます。この呼吸後の血液(動脈血)の酸素と二酸化炭素の量を検査することにより、呼吸器が正常に機能しているかどうか調べます。
② 体内の酸・塩基平衡を調べる
体内では様々な酸が合成されていますが、体は常にpH7.4前後(中性)に保とうと調節しています。この調節が壊れると、体内の酸・アルカリのバランスが崩れて体内に酸が蓄積していきます。
それを補うために体は呼吸回数を増やして二酸化炭素(炭酸という酸)の量を減らそうとしたり、腎臓(尿細管で水などの再吸収)で調節したります。
動脈血中の二酸化炭素の量とpHを調べることにより、間接的に体内の酸・塩基平衡を知ることができます。
主な検査対象:嘔吐・下痢、輸液の選択、呼吸不全、意識障害、ショック等重篤な状態、
呼吸機能を精査する必要のある状態(手術前後など)