[PDF]猫の慢性腎臓病
[PDF]東洋眼虫
[PDF]食道内異物
[PDF]心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)
[PDF]外耳炎
[PDF]椎間板ヘルニア 〜治療と予後〜
[PDF]椎間板ヘルニア 〜症状と診断〜
[PDF]猫下部尿路疾患
[PDF]前十字靱帯断裂
[PDF]ドライアイ
[PDF]胃拡張胃捻転症候群
[PDF]熱中症
犬ワクチン
犬といっしょに泊まれるホテルに電話したら、ワクチンを打った証明書が必要と言われました。
実際ワクチンって必要なの?
また、具体的にどんな病気を予防するの?
ワクチンとは、無毒化または弱毒化した病原体の事で、これを体内に注入することで抗体を作り、以後感染症にかかりにくくすることです。
伝染病はいつ何処で感染するかわかりません。
現在、ワクチンで予防できる病気は、感染力が強くとても一般的な病気です。
また、感染すると動物にとって致命的なものもあります。
混合ワクチンは、狂犬病のように法律では定められてはいませんが、ホテルに泊まるためではなく、ワンちゃんの病気の予防の観点からも、ワクチンを打ちましょう。
次に、ワクチン接種の時期ですが、子犬の場合、生後すぐからしばらくは初乳を飲んで得られた母子免疫があり、大丈夫です。しかしそれも長くは続きません。そのため母子免疫が切れる頃に(2ヶ月で切れる子もいれば3ヶ月で切れる子もいる)ワクチン接種します。
当院では生後2ヶ月目・3ヶ月目・4ヶ月目の3回打ちをお勧めしています。
成犬の場合、一年に一度追加接種する必要があります。
しかし予防接種が初めての成犬の場合、1回の接種だけでは充分な抗体が作れない可能性が高いため、1ヶ月後にもう一度打ったほうがよいでしょう。
当院では、6種混合ワクチンと10種混合ワクチンの2種類(どちらもZoetis)のワクチンを使用しています。特に散歩に行く場合は10種をお勧めしています。
予防できる病気
・ 犬ジステンパー〈6種〉〈10種〉
高い熱、目やに、鼻水、くしゃみが出て元気・食欲がなくなります。
また嘔吐や下痢をしたり、ふるえやケイレンなどの神経症状を起こす場合もあります。
特に子犬では、死亡率も高い伝染病です。
・ 犬伝染性肝炎〈6種〉〈10種〉
高い熱が出て嘔吐や下痢をしたり、元気・食欲がなくなり、時には目が白く濁ったりします。
症状の程度は色々ですが、全く症状をしめすことなく突然死亡する場合もある恐ろしい伝染病です。
・ 犬アデノウイルス二型感染症〈6種〉〈10種〉
熱が出たり、食欲不振がみられ、クシャミ、鼻水の他、短く乾いた咳が続き、のどや扁桃がはれる場合もあります。
特に、他のウイルスや細菌との混合、あるいは二次感染によって症状が重くなります。
・ 犬パラインフルエンザ〈6種〉〈10種〉
水様性の鼻水や咳、軽い発熱と扁桃のはれなどがみられます。
犬アデノウイルス2型など他のウイルスや細菌との混合、あるいは二次感染が起こりやすく、その場合は症状も重くなります。
・ 犬パルボウイルス感染症〈6種〉〈10種〉
食欲がなくなり、衰弱して発熱や嘔吐、時には血液の混じった激しい下痢がみられます。
重症になると脱水が進み、短い経過で死亡することもあります。
伝染力が強く、非常に死亡率が高い病気です。
・ 犬コロナウイルス感染症〈6種〉〈10種〉
おもに嘔吐、下痢、脱水を起こします。
幼若な子犬の場合、犬パルボウイルスなど他のウイルスや細菌などの二次感染を誘発し、症状が重くなる場合があります。
・ 犬レプトスピラ感染症
(カニコーラ、イクテロヘモラジー、グリッポチフォーサ、ポモナ)〈10種〉
発熱・頭痛・筋肉痛・黄疸・出血傾向・蛋白尿などのほか肝不全・腎不全を経て、場合によって死にいたることもあります。レプトスピラ菌に感染した犬や野生動物、げっ歯類などの尿や尿に汚染された水・土などから、皮膚や口を介して感染します。
また、レプトスピラ症は代表的な人獣共通感染症で、人にも感染します。
担当:白崎看護士 監修:春日部獣医師
× 閉じる猫ワクチン
猫を拾ったのですが、ワクチンってどうしたらいいの?
また具体的にどんな病気を予防するの?
ワクチンとは、無毒化または弱毒化した病原体の事で、これを体内に注入することで抗体を作り、以後感染症にかかりにくくすることです。
伝染病はいつ何処で感染するかわかりません。
現在、ワクチンで予防できる病気は、感染力が強くとても一般的な病気です。
また、感染すると動物にとって致命的なものもあります。
犬の狂犬病のように法律では定められてはいませんが、ネコちゃんの病気の予防の観点から、ワクチンを打ちましょう。
飼育しようとする猫が拾った(保護した)猫の場合は、子猫・成猫にかかわらず、母猫が野良猫である可能性が高く、母猫(野良猫)が伝染病を持っていたかもしれません。
実は母子感染していて後でわかるということもあります。
拾ったら猫白血病・猫エイズ血液検査を行ったほうがいいかもしれません。また先住猫がいる場合は血液検査を行ってから同居させるようにしましょう。
その先住猫がワクチンを打ってない場合は先住猫もワクチンを打ちましょう。
次に、ワクチン接種の時期ですが、子猫の場合、生後すぐからしばらくは初乳を飲んで得られた母子免疫がありウイルスから守られています。しかし母子免疫が切れる頃には(生後2ヶ月~3ヶ月くらい)ワクチン接種が必要となってきます。1回の接種だけでは充分な抗体が作れないため、1ヶ月後にもう一度追加接種を行います。
当院では3種混合ワクチン・5種混合ワクチンとも、生後2ヶ月目・3ヶ月目の2回打ちをお勧めしています。
成猫の場合、一年に一度追加接種する必要があります。
しかし予防接種が初めての成猫の場合、1回の接種だけでは充分な抗体が作れない可能性が高いため、1ヶ月後にもう一度打ったほうがよいでしょう。
当院では3種混合ワクチン(Zoetis)と5種混合ワクチン(Zoetis)があります。
室内のみで飼われる方は3種、外に出る猫ちゃんは感染する機会が多いので5種のワクチン、*エイズワクチンの接種をお勧めしています。
猫エイズはエイズワクチンで100%予防できるものではありません。また伝染病には猫伝染性腹膜炎(FIP)などワクチンで予防できない致死率の高い病気や、感染症、交通事故などの危険もあります。
猫ちゃんは外に出さず室内での飼育をおすすめします。
*エイズワクチンは院内の在庫がないため、ご希望の方は事前にお問い合わせください。
予防できる病気
・ 猫ウイルス性鼻気管炎 〈3種〉 〈5種〉
40℃前後の発熱と激しいくしゃみ・せきをして多量の鼻水や目ヤニを出します。強い感染力があり、また、他のウイルスや細菌との混合感染を引き起こして、重い症状となって死亡することもあります。
特に子猫の時はかかりやすく、高い死亡率を示す場合もあります。
・ 猫カリシウイルス 255株〈3種〉 〈5種〉
猫ウイルス性鼻気管炎と類似のカゼのような症状を示しますが、進行すると口の中や水疱や潰瘍をつくります。一般的に鼻気管炎よりは軽い症状ですが、混合感染する場合が多く、この場合は重い症状となります。
・ 猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)〈3種〉 〈5種〉
パルボウイルスによる病気で、高熱、嘔吐、下痢などの症状を示し、血液中の白血球の数が著しく少なくなります。脱水症状が続くと衰弱し、特に子猫では非常に死亡率の高い伝染病です。
・ 猫白血病ウイルス感染症 〈5種〉
リンパ肉腫、白血病などの腫瘍性の病気をはじめ貧血、腎炎あるいは病気に対する抵抗力が弱くなって他の感染症を併発することもあります。これらはいずれも根本的な治療法はなく、死亡する危険性の高い恐い病気です。
感染した猫の唾液中には多量のウイルスが含まれていて、猫同士の咬み傷や毛づくろいなどを通じて口や鼻から伝染します。
・ 猫クラミジア感染症 〈5種〉
かぜのような症状や結膜炎、角膜炎などの眼の病気を起こし、結膜炎は2~6週間続きます。
混合感染により症状がひどくなり肺炎になったり、結膜炎が慢性化します。
感染している母猫から産まれた子猫は眼炎や肺炎を起こして数日で死亡することもあります。
・ 猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ) 〈エイズワクチン〉
感染始めに発熱・下痢などが見られますが、多くの場合、一旦症状は落ち着きます。それから数年間かけて体内で進行して免疫機能が低下するため、数年後には、慢性の口内炎や鼻炎、削痩、貧血がみられたり、健康猫では感染しないような弱い病原体でも重い症状がでたりします。白血病と同じく根本的な治療法はなく、進行すると死に至る病気です。
感染した猫の唾液や血液にエイズウィルスが含まれているため、猫同士の咬み傷からの感染がほとんどです。母子感染もありますが、グルーミングや食器から感染することはほぼありません。
担当:山本看護士 監修:春日部獣医師
× 閉じる外部寄生虫について
散歩は時々しか行きません。
それでも、ノミ、マダニの予防は必要ですか?
ノミは散歩に行かなくても寄生する可能性があります。
帰宅時にズボンの裾などにつけて持って帰ってきたり、庭先などに野良猫が持ち込んできたり、たまの散歩で偶然うつされたりするかもしれません。
一度感染すると痒いだけではなく多くの病気を引き起こします。
しかも退治するのは大変です。“百害あって一利なし!”付かないように予防することが大切です。
マダニは、草の先端に付いていて犬・猫が草むらを通るときに付着して寄生します。
動き回らないので始めは気づきにくいのですが、吸血後は200倍にも大きくなることがあり、耳や顔面にぶら下がっている小豆大のマダニを見つけることもしばしばです。
ノミ
ノミの寄生の有無
毛をかき分けた時すばやく動く黒ゴマみたいなものがいれば、ノミの可能性が高いでしょう。 また、ノミ糞(黒い砂粒状で水に付けると赤茶色に溶け出す)が見つかれば、ノミが寄生しています。
もしノミを見つけても潰してはダメです。
潰すとノミの虫卵が飛び散ることがあります。
テープなどに貼りつけにするか、薄めた中性洗剤に沈めて失神させトイレなどに流してください。そして動物病院でノミ予防&駆除薬をもらいましょう。
ノミの予防&駆虫
ホームセンターなどで市販されているノミとりシャンプーや滴下剤は、ノミを『死滅』するのではなく『失神』させるだけだったり、有機リン化合物が含まれていて動物の体自体に危険なものだったりします。
予防&駆虫には動物病院専用薬を使いましょう。
もしノミがいたら、今まで生活していた環境(寝床は勿論、遊び場、お気に入りのソファやクッションなど)にノミの卵・幼虫・蛹が落ちているので徹底的に掃除をしてください。
完全に駆虫するには3ヶ月はかかるともいわれています。また多頭飼育の場合、1頭だけ予防&駆虫しても他の子から感染するので、全員に予防&駆虫をしなくてはいけません。
薬剤には犬用、猫用がありますが犬に猫用、猫に犬用は使わないでください。
代謝が違うので毒性が発現する場合があります。
ノミと関係する病気
・ノミアレルギー性皮膚炎
ノミが吸血する際に唾液が注入され、この唾液の成分にアレルギー反応をおこして起こる皮膚炎です。皮膚を激しく掻きむしるために、細菌の二次感染を起こしたり、脱毛してしまうことがあります。ノミが寄生してなくてもノミ1匹に1ヶ所刺されるだけでおこる場合があります。
・瓜実条虫(サナダムシ)の媒介
ノミが寄生している動物は高確率で瓜実条虫に感染します。
ノミをグルーミングなどで食べてしまい、ノミの体内にいた瓜実条虫がうつります。瓜実条虫は多数の片節からなるヒモ状の虫です。約1ヶ月で成虫となり、その後、瓜実条虫卵のつまった片節がちぎれて便と一緒に出てきます。
「お尻に白ゴマみたいなものが付いている」とか「肛門周囲で米粒みたいなものがうにうに動いていた」のはおそらくこの片節でしょう。
ヒトにも感染します。1才前後の小児は、はいはいしたりして床に口が近いので、感染しやすいといわれています。
・猫ヘモバルトネラの媒介
ヘモバルトネラとはマイコプラズマの一種で、猫の赤血球表面に付着して溶血性貧血を起こします。
溶血性貧血とは、赤血球が溶けるように壊れて貧血になることです。
・猫ひっかき病(バルトネラ菌)の媒介
猫ひっかき病とは、バルトネラ菌を持った犬や猫に咬まれたりひっかかれたりすることで感染するヒトの病気です。傷口の化膿や腫脹、長期の発熱や痛みを伴うリンパ節の腫脹、全身倦怠、関節痛、嘔気等を引き起こします。
免疫不全の人や、子供、免疫力の落ちた高齢者では、重症化して肝膿瘍を合併したり麻痺や脊髄障害に至るものもあります。
ノミの吸血によってバルトネラ菌が犬や猫に感染しますが、犬や猫は一般に無症状です。
まれですがバルトネラ菌を持ったネコノミが人間を刺して感染するという場合もあります。
・貧血
1匹1匹の吸血量はそこまで多くはないですが、塵も積もればナンとやら。
大量に寄生されると貧血をおこします。特に衰弱した動物は注意しましょう。
マダニ
マダニの予防&駆虫
マダニを発見して取ろうとしても、マダニの口器が皮膚に深く差し込まれているので、容易に取り除くことができません。
無理に引っ張るとマダニの口器が皮膚の中に残って腫れて皮膚炎を起こしてしまうので、動物病院専用薬を使い予防・駆虫しましょう。
マダニと関係する病気
・ 犬のバベシア症
マダニの吸血の際にバベシアという原虫が犬の体内に侵入し、犬の赤血球内に寄生します。
犬の赤血球内に寄生したバベシアは、次々と赤血球を破壊します。
症状は主に40℃を超える発熱と重い貧血で、貧血がひどくなると肝臓や腎臓の機能障害を起こし、命に関わることもあります。
一度感染するとバベシアを完全に除去できる治療薬はありません。したがって、犬のバベシア症の予防=バベシアを媒介するマダニの感染を予防することがとても大切です。
マダニの吸着から約48時間で感染するといわれていますので、マダニを見つけたら急いで動物病院で予防&駆除薬をもらいましょう。
・ライム病(ボレリア)の媒介
ライム病は、マダニに吸血されボレリア(スピロヘーターの一種)をうつされることで感染するマダニ媒介性疾患です。野生動物では感染しても無症状ですが、ヒトでは発熱やけいれん、関節炎、起立不能、歩行異常や神経過敏などの臨床症状を引き起こします。
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
SFTSウイルスを保有するマダニが犬・猫・人などを吸血する際に感染する「マダニ媒介性人獣共通感染症」です。ヒトではマダニに咬まれてから1~2週間程度の潜伏期間を経て、発熱、食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、時に重症化すると頭痛、筋肉痛、けいれん、リンパ節腫脹、咳、出血症状(紫斑、下血)を起こします。致死率は20~30%と高く、山へ行く、草刈りをするなどの際は長袖長ズボンで肌の露出を控えましょう。(別途PDF参照)
ネコちゃんは食欲不振などの類似症状や黄疸を呈します。また感染しているネコちゃんからヒトへの感染も見られることがあり、ネコちゃんの室内飼育をおすすめします。
ワンちゃんは不顕性感染が多いため、マダニ予防だけでなく草むらに入らない注意が必要です。
担当:春日部獣医師
× 閉じる内部寄生虫について
便から白い虫が出ました。どうしたらいいですか?
便から排泄される消化管内寄生虫として回虫、瓜実条虫、鉤虫、マンソン裂頭条虫、猫条虫、鞭虫などがあります。その他、ジアルジア、糞線虫、コクシジウムなど顕微鏡で便検査をして見つかる寄生虫もあります。
感染経路は色々ありますが(経口・経皮・胎盤・母乳など)、やはり散歩途中で尿・便の臭いを嗅いだり、歩いた足を舐めたりして感染することが多いようです。その他、ノミが媒介したり飼い主さんの衣服やくつに付着した寄生虫卵などから知らないうちに感染していることもあります。
感染した場合、すみやかに動物病院を受診して駆虫薬の処置をしましょう。
お薬には注射薬、飲み薬と皮膚に滴下するお薬(猫のみ)があります。血便・下痢を伴っている場合はそちらの治療も必要でしょう。
少数寄生だと症状がでないこともあり、また感染していても糞便検査で虫卵が発見されないこともあるので、定期駆虫がオススメです。(定期駆虫については当院にご相談ください)
消化管内寄生虫はヒトに感染します。 回虫や瓜実条虫、鉤虫、マンソン裂頭条虫、猫条虫、鞭虫、エキノコックスなどはヒトにも感染します。
スキンシップのあと手を洗わない、一緒に寝ている、口移しや自分のお箸でごはんをあげるなどは動物に寄生虫がいたらヒトにうつりかねません。特に小さなお子様やお年寄りは抵抗力があまりないので過度のスキンシップは避け、犬や猫と遊んだ後は必ず手を洗う等ルールを決めるようにしましょう。
ヒトへの症例
・ 犬猫回虫症
室内や砂場、動物の毛についた回虫の卵が口から入ることで感染します。幼虫のまま内臓や目、皮膚の下などに移行して様々な病害をもたらします。
幼児への感染は重症化しやすいので、特に注意が必要です。
・ 瓜実条虫症
外部寄生虫について 参照
・ エキノコックス症
キタキツネへの寄生で有名ですが、犬猫にも感染します。ヒトへは感染動物の排泄物に含まれる虫卵が口に入ることで感染します。
犬は感染しても無症状ですが、ヒトが感染すると重い肝機能障害を引き起こし90%以上が死に至るこわい病気です。
*日本では主に北海道で確認されていましたが、2014年に愛知県でも確認されました。本州での確認はまだ少数ですが、広がりつつあるので注意が必要です。
担当:伊藤看護士 監修:春日部獣医師
× 閉じるフィラリア
友達に「この辺は蚊が多いのでフィラリア症に気をつけて。
予防したほうがいいよ」と言われました。
フィラリア症って何ですか?
フィラリア症とは、蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫)が心臓や肺動脈に寄生して起こる病気です。感染初期や少数寄生では無症状ですが、症状がすすむと発咳、体重減少、元気消失、運動不耐性、呼吸困難となり、最終的には腹水、血尿、喀血、失神などを起こし、死亡することも珍しくありません。
感染経路
蚊がフィラリア感染犬の血を吸った際にフィラリア子虫(L1)も一緒に吸われ、蚊の体内に入ります。蚊の中で子虫が成長し(L3)、その子虫を持った蚊に刺されると感染します。
フィラリアの子虫が犬の体内で成長して、最終的に心臓付近で成虫になります。
予防について
毎月1回の予防でフィラリア子虫を駆虫します。
予防薬として、錠剤・粉薬・ジャーキータイプの飲み薬やスポットタイプ(首の後ろにつける)があります。また、予防薬によってフィラリア予防効果の他に、内部寄生虫も駆除できるもの、ノミの予防もできるものなど追加効果のあるものもあります。
ワンちゃんの生活環境に合わせて一緒に選んでいきましょう。
予防期間は、蚊が出始めてから1ヵ月以内~、蚊が見られなくなった1ヵ月後まで月1回予防が必要です。地域によって予防期間は異なりますが、(京都では蚊の活動期間は5月~11月と言われているので)4月末(5月始め)~11月末(12月始め)が予防期間です。
予防を始める前の血液検査
予防期間が短かったり投薬の失敗などにより、心臓内にフィラリアが寄生してしまった犬では、予防薬を飲ませることによって重大な副作用が起こる可能性があります。
そのため毎年の予防の初めに心臓内のフィラリアの有無を確認する血液検査が必要になります。
猫のフィラリア
フィラリアは犬だけでなく猫・人にも感染しますが多くは体内で死滅します。
しかしまれですが犬と同じように発育してしまうこともあります。
猫の心臓は小さいため少数寄生でも症状が強く出たり突然死することもあります。
(京都市でも複数の報告あり)
また、体内を迷走し、皮下、子宮、眼、下顎などに腫瘤(こぶ)を形成することもあります。何よりも予防が大切です。
猫のフィラリア予防薬にも飲み薬とスポットタイプがありますが、猫の場合、薬を嫌がる子が多いので簡単に投与できるスポットタイプがお勧めです。
担当:喜多看護師 監修:春日部獣医師
× 閉じる去勢・避妊のすすめ
友達に不妊手術したほうがいいと言われました。
実際のところはどうなんですか?
「健康な動物に手術をするのはかわいそう…」という声もあるでしょうが、私たち家族の一員として暮らすペットにとって、不妊手術=去勢・避妊手術を考えることはとても大切なことです。
♂ オスの去勢手術におけるメリット
・ 長生きする傾向がある
・ 僧帽弁閉鎖不全症(犬のみ)の発生率が低下する
・ 精巣や前立腺、肛門周囲腺腫(犬のみ)などの病気の予防
・ マーキング行動の予防
・ 性成熟に伴う攻撃性の抑制
・ 性的ストレスからの開放
♀ メスの避妊手術におけるメリット
・ 長生きする傾向がある
・ 子宮の病気(子宮蓄膿症、子宮の腫瘍)や卵巣の腫瘍、乳腺腫瘍の予防
・ 発情期の出血がなくなる
・ 発情行動の抑制
・ 予期しない妊娠の心配がなくなる
✕ 手術におけるデメリット
・ 全身麻酔をかけるため麻酔のリスクを伴う
・ 子供が産めなくなる
・ 太りやすくなり、肥満に注意しなければならない
当院では、去勢も避妊も、生後6~8ヵ月頃(=初回発情前)を目安に推奨しています。
犬・猫とも、初回発情前に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍の発生率がとても低くなるからです。
手術と言うと怖いイメージもあると思いますが、高齢になると、ホルモンの異常で上記の病気を引き起こしたり、生殖器そのものが癌などの病変となり、全身に悪影響を及ぼす危険性があります。
妊娠を希望しないならば、病気の予防のために、長生きをさせてあげるために、若く体力のあるうちに手術をされることをお勧めします。
また、術前検査を行うことで、全身麻酔・手術のリスクを下げることをお勧めします。
担当:堀獣医師
× 閉じるマイクロチップ
友達に不妊手術したほうがいいと言われました。
実際のところはどうなんですか?
マイクロチップとは、外側に生体適合ガラスを使用した円筒形の電子標識器具のことです。
サイズはメーカーにより多少異なりますが直径約2㎜全長11~14㎜と大変小さいもので、埋め込んだ部位に専用の読み取り機(リーダー)を近づけることによって個体識別番号を読み取り識別します。
個体識別番号に基づく個体・飼い主さん情報は環境省にデータ登録されデータベース化されます(登録は飼い主さん自身でしていただきます)。
犬と猫のマイクロチップ情報登録 | 環境省(https://reg.mc.env.go.jp/owner/)
動物愛護管理法により、販売される犬や猫へのマイクロチップの装着・登録が義務付けられています。
マイクロチップを埋め込むタイミングは通常で犬では生後2週間、猫では生後4週間から可能といわれています。そのためペットショップやブリーダーから入手した場合は概ね挿入済みでしょう。もしマイクロチップが入っていない場合は動物病院で挿入しなければなりません。埋め込みをご希望の方は在庫確認のお電話をください。
(通常在庫を置いておりますが、他の方への使用直後はない場合があります)
マイクロチップの挿入は基本的に無麻酔で行いますので外来の時間、
もしくは昼の予約診察に行っています。不妊手術などの麻酔下処置時の挿入もオススメです。
デメリットとしては、MRIを撮影した場合にマイクロチップが反響するため評価が難しくなる場合があります。
フード選び
どのメーカーのペットフードがいいですか?
近年ではペットフードの改良が進み、お店にもたくさんの種類のフードが並ぶようになりました。どうやって、フードを選べばいいのか迷う方も多いと思います。 当院では以下の条件をクリアしているフードを選んでいただくことをお勧めします。
フード選びの条件
1. ライフステージに合わせた食事を選ぶ
まずはフードのパッケージを見てみましょう。
成長段階に応じて「幼犬・幼猫期/成長期またはグロース」「成犬期・成猫期/維持期またはメンテナンス」「老犬・老猫期/シニア期」などに別れているものを選びましょう。
また、1日に必要な給餌量は体重によって異なります。
パッケージの給餌量の目安を参考に、計算して1日量を決めて与えましょう。
2.「総合栄養食」の表記のあるものを選ぶ
総合栄養食とはペットフード公正取引協議会の基準を満たした、「その食事と新鮮な水だけで、成長や健康維持に必要な栄養素・エネルギーがバランス良くとれる食餌」のことです。
パッケージの裏面に小さく表記されていることが多いので、裏側もしっかりチェックしましょう。
3.「AAFCO(米国飼料検査官協会)」の基準をクリアしたもの
AAFCOはドッグフード・キャットフードの栄養基準を作成しています。
そのガイドラインは世界的な栄養基準となっています。
日本ペットフード公正取引協議会もAAFCOのガイドラインを反映しています。
4.「プレミアムフード」を選ぶ
プレミアムフードとは、決まった規格や定義があるわけではありません。
一般的に、「原材料にこだわり、添加物や保存料を使ってない製品が多く、開発・試験改良・製造にコストがかかるため比較的高価なフード」となります。
5.目的別に選ぶ
「妊娠期・授乳期」「肥満傾向用」「運動量の多い用」などカロリー量によって分かれているものや、「毛玉用」「歯石予防」「尿石予防」など普段からのケアを考えられているものもあります。
6. 入手しやすい物を選ぶ
総合栄養食で、AAFCOの基準をクリアしていて、プレミアムフードであっても、数ヶ月待ちのフードでは困ります。最近はインターネットでお買い物ができお求めやすくはなってきましたが、いざという時にペットショップや病院で購入できるものがよいと思います。
7. 嗜好性
Aどんなに体に良くても本人が食べなくては意味がありません。
そういう点で「チキン味」や「フィッシュ味」など何種類かあるフードだとなお良いです。
メーカーによって分類や内容などが細かく異なり、やはり迷っている・分からない場合は動物病院に相談するのが一番です。
担当:竹田看護師 監修:春日部獣医師
× 閉じる人間の食べ物で与えてはダメなモノ
人間の食べ物で与えてはダメなモノって何ですか?
下記にあるのは、ほんの一例です。
人間が食べる物は、総じて動物達にとってはカロリーや塩分・糖分が多すぎ、また有害なものも数多く存在します。 少しだけのつもりが、中毒を起こしたり、積み重なって様々な病気を誘発する原因となります。(尿結石・腎臓病・肝臓病・肥満・関節炎など)動物用の食べ物以外は与えるのは控えましょう。
たまねぎ及びネギ類
生のたまねぎだけでなく、たまねぎの入ったドレッシングやスープの汁でも中毒を起こすことがあります。ネギ類に含まれる有害成分アリルプロピルジスルファイドが赤血球を破壊して溶血性貧血を起こします。中毒量は固体によって違い、少量でも命に関わることもあるので注意が必要です。
チョコレート
チョコレートに含まれるテオブロミンは血圧の上昇、興奮、痙攣、昏睡などを引き起こします。時には心不全を引き起こし、命に関わることもあるので危険です。
ぶどう(レーズン)
詳しい原因物質は不明ですが、嘔吐後急性腎不全を引き起こします。
中には死亡した例が報告されています。危険ですので、与えないようにしましょう。
イカ・タコなど生の魚介類
ビタミンB1の破壊物質(チアミナーゼ)を持つものが多く、ビタミンB1欠乏症を引き起こすことがあります。消化しづらく下痢や便秘の原因になるだけでなく、アニサキスなどの寄生虫がいることもあるので、与えるのは控えましょう。
牛乳
犬猫は牛乳中の乳糖を分解する酵素がない・少ないことが多くが、下痢を起こす可能性があります。仔犬・仔猫用にはぞれぞれに合ったミルクが販売されているので、人間用の牛乳を与えるのは控えましょう。当院または、ペットショップで購入しましょう。
コーヒー・紅茶・お茶
コーヒー・紅茶・お茶は(砂糖やミルクが入っていても)カフェインが中枢神経興奮作用を引き起こし危険です。
その他
・骨
鶏の骨など、鋭く割れやすいので、口の中、食道、胃粘膜や臓器を傷つける恐れがあります。また歯を欠損させてしまうこともあります。
・生肉
生肉には寄生虫や細菌がいることも多く、加熱せずに与えるのは危険です。
・ナッツ類
ナッツ類は総じてカロリーが高いので、与えるのは控えましょう。またマカダミアナッツで成分・機序はまだわかっていませんが中毒を起こした例が報告されています。
・種のある果物
アボカドの葉や種子、樹皮には含まれる「ペルジン」に毒性があるといわれており、嘔吐、下痢、命に関わることもあるので危険です。モモやサクランボなどの種や未熟な実にはシアン化合物が含まれているので、多量に食べてしまうと、筋肉の弛緩・ふらつき・呼吸困難の症状を示すことがあります。
また、万が一大きな種を丸呑みしてしまうと、喉や腸に詰まってしまい、命に関わることもあるので、与えないでください。
・おやつ用のガム
硬すぎるものは骨と同じで歯を欠損させてしまうことがあります。また、万が一、丸呑みしてしまい喉や腸に詰まってしまうと、命に関わることもあります。
あげるときは必ずオーナーさんの目の届くところであげるようにしてください。
・人間用サプリメント
αリポ酸(ダイエットや加齢対策サプリメント)は猫が食べると致死的です。
誤って猫が口にしてしまうと、重大な急性肝臓障害を引き起こすと言われています。
参考:埼玉県獣医師会HP
担当:竹田看護士 監修:春日部獣医師
× 閉じる肥満
肥満になると病気にかかりやすいのでしょうか?
犬についての話になるのですが、日本における肥満の発生率は23.7%だそうです。
また、他の国の報告になりますが、アメリカでは28.3%、イギリスでは28.0%との報告があります。どこの国でも同じように、肥満に悩んでいるわんちゃんは、4~5頭に1頭とのことです。
このように非常に一般的な問題である肥満ですが、この肥満が引き起こす病気や問題にはどのようなものがあるのでしょうか?
① 糖尿病
② 循環器(心疾患など)や呼吸器(気管虚脱など)への負担増加
③ 運動器(骨関節症など)の病態悪化(進行)
④ 体温調節障害(熱射病)
⑤ 麻酔時間の延長
⑥ 創傷治癒の遅延や感染症に対する免疫能の低下
などが考えられています。
このようにわんちゃんの健康に対して非常に様々な影響を与える肥満に対して、私たちの病院では
1. 各メーカーからの減量用処方食
2. 減量用サプリメント
3. わんちゃんに合わせたカロリー計算
を行い、理想的な体型を目指します。
詳しい内容については、病院でおたずねください。
秋から冬にかけては体重増加の季節です。
今年の冬は一緒に愛犬の減量作戦に取り組みましょう。
獣医師:村田 裕史
× 閉じる歯みがきについて
犬・猫の歯みがきってどうやったらいいですか?
犬猫の口の中は、pHが人間とは違うので虫歯はできにくいですが、逆に歯石が溜まりやすいです。歯石は口臭の原因です。放っておくと細菌が歯根で繁殖し、頬が腫れたり、皮膚に穴があいてしまうこともあります。
また、細菌が全身に回り心臓や肝臓や腎臓の病気を引き起こすこともあります。
一度、たまった歯石は、全身麻酔下でのデンタル処置が必要になるので、歯石がたまらないよう、しっかりと予防する事が大切です!
最近は様々なデンタルケア製品が出ていますが、一番効果的なのは歯ブラシやガーゼを使って物理的に歯をみがくことです。しかし、いきなり歯みがきを行うと動物は驚き嫌がることが多いと思います。
飼い主さんも、わんちゃん猫ちゃんもお互いが楽しく歯みがきできるよう、少し時間はかかりますが、以下の順を追ってステップアップしていきましょう。
※慣れるまで個体差があるので、焦らずお家の子に合わせたペースで少しずつ頑張っていきましょう。
途中でつまずいた時は、ひとつ前のステップに戻って、根気よくチャレンジしていきましょう。
ステップ① 『口周りを触る練習』
ごほうびを用意し、口周りを少し触ります。
少しでも触らせてくれたら、すかさずごほうびをあげましょう。
毎日繰り返して、少しずつ触れる時間を長くしていきましょう。
嫌がらずに触らせてくれるようになったら、ごほうびをあげる回数を少しずつ減らしていき、最終的にごほうびなしでも触れることを目指しましょう。
ステップ② 『上唇をめくる練習』
口周りを触らせてくれるようになったら次は上唇をめくってみましょう。
少しでも触らせてくれたら、すかさずごほうびをあげましょう。
毎日繰り返して、少しずつ触れる時間を長くしていきましょう。
嫌がらなくなったら、ごほうびをあげる回数を少しずつ減らしていき、最終的にごほうびなしでもめくれることを目指しましょう。
ステップ③
『道具を使って、歯を触る練習』
歯みがきの道具には、ガーゼ・歯ブラシ(スティックタイプ・指サックタイプ)などがあります。
使いやすいものをお選びください。
道具を一瞬1つの歯に軽くタッチする感じで当てるところからはじめます。
当てさせてくれたら、すかさずごほうびをあげます。
この時ガーゼや歯ブラシは必ず湿らすか歯みがき粉をつけておきましょう。
毎日繰り返して、少しずつ当てる時間や歯の本数を増やしていきましょう。
徐々に当てるだけでなく少しこすりながら歯みがきをしていきましょう。
嫌がらずに歯みがきさせてくれるようになったら、ごほうびをあげる回数を少しずつ減らしていき、最終的にごほうびなしでも歯みがきできることを目指しましょう。
※院内ではフレーバー(チキン・モルト・バニラミント)付きの歯みがき粉を販売しておりますので、ぜひご利用ください。人間とは違い、歯みがきの後に口はすすがなくても大丈夫です。ワンちゃん・猫ちゃんの好む味つけになっているので喜んで歯磨きさせてくれる子もいます♪
担当:竹田看護師 監修:春日部獣医師
× 閉じる薬の飲ませ方
初めて薬をもらいました。どうやって飲ませるのですか?
薬が平気、むしろ大好きでそのまま食べちゃう子もいれば、何をやっても吐き出してしまう苦手な子もいます。以下の方法を参考になさってみてください。
錠剤やカプセル
犬
①親指と人差し指を犬歯の後ろに差し込むようにして上あごを抑え、鼻先を少し持ち上げるようにします。
②もう片方の手の親指と人差し指で薬をつまみ、残りの3本の指で口を押し開けて、舌の奥の方に薬を置きます。
③すばやく口を閉じ、鼻先を少し持ち上げたまま、のどをやさしくなでます。
猫
①顔を少し上に向けるように、しっかりと頭を保定します。
②もう片方の手の親指と人差し指で薬をつまみ、残りの3本の指で口を押し開けて、舌の奥の方に薬を置きます。
③飲み込めるまで顔を上に向けるようにし、のどをやさしくなでます。
液剤
犬
①口を閉じたまま鼻先を少し持ち上げて保定します。
②犬歯の後ろのすき間にスポイトなど差し込み、ゆっくりとお薬を流し込みます。
③飲み込めるまで鼻先を少し持ち上げたまま保定します。
猫
①顔を少し上に向けるように、しっかりと頭を保定します。
②犬歯の後ろのすき間にスポイトなど差し込み、ゆっくりとお薬を流し込みます。
③飲み込めるまで鼻先を少し持ち上げたまま保定します。
粉末剤
犬
①口を閉じたまま鼻先を少し持ち上げて保定します。
②ほおをめくるようにして、歯と頬の間にお薬を入れます。
③お薬がこぼれないように、外側から頬をもんで馴染ませます。
猫
①顔を少し上に向けるように、しっかりと頭を保定します。
②ほおをめくるようにして、歯と頬の間にお薬を入れます。
③お薬がこぼれないように、外側から頬をもんで馴染ませます。
担当:春日部獣医師
× 閉じるしつけについて
犬を飼い始めました。
いつからしつけをスタートしたらいいですか?
いつまでにしなくてはいけませんか?
またどうやってしつけたらいいですか?
「さて、しつけの時期ですが、早いに越したことはありません。
成長過程で社会性を身につける時期(=社会化期)は、ワンちゃんでは生後2週齢から12週齢(犬種によっては16週齢ぐらいまで)、ネコちゃんでは少し短く3週齢から7週齢と言われています。
他の犬や猫や鳥などの動物、また人間に対して慣らし、社会の中で仲良く生活していくために大切な時期です。
社会化期にしつけを行わないと、恐怖からくる攻撃性や分離不安などの問題行動を起こしやすくなります。また社会化期が終わったからと言ってしつけをやめると、その後の新しいものには慣れなかったり、怖がりが逆戻りすることもあります。
では社会化期が過ぎてしまった場合ですが、やはり外部からの刺激に対して柔軟には対応できなくなってしまいます。しかし時間をかけて楽しい事と結び付けていくことで、何歳からでもしつけを行う事はできます。そして、一生続けていくものでしょう。
しつけ方については、社会化期の時期(中期・後期)や月令の他、犬個々の性格や飼い主さんの出来る事・望む事で異なりますので、詳しくはしつけ方教室をご利用ください。
犬と一緒にHappy Lifeを送りましょう!
担当:春日部獣医師
× 閉じる僧帽弁閉鎖不全症
最近、咳がでてなんだか元気がありません。
どうしてでしょうか?
咳がでる原因には、色々なことが考えられます。
①ヒトで言えば風邪のような一過性の上部気道感染症や気管の病気
②アレルギーなどによる喘息・肺炎などの、主に呼吸器病に分類される疾患
③心臓からの咳
この中で、特に心臓からの咳は、非常に危険な咳であると言えます。
この咳を出す心臓病の代表としては、僧帽弁閉鎖不全症(MR)(図1)があります。
参考までに正常な犬の心臓は(図2)となります。
ではこの心臓が悪いときに、なぜ、咳が出るのでしょうか?
これは、主に下記の3ヶ所の問題から咳を生じます。
・ 左房が拡張して気管支や気管分岐部を圧迫。
・ 肺静脈がうっ血することによる気管支の圧迫。
・ 肺水腫により咳が生じる。
このように同じMRであっても様々な問題を生じる可能性があります。
従って、治療内容も病態に合わせて調整する必要があります。
最近、咳が出て、なんだか元気がない。
こんな症状がある場合、ぜひ、動物病院での診察をお勧めします。
獣医師:村田 裕史
× 閉じるふるえ(振戦)
急に犬が震えています。寒いのでしょうか?
秋になり急に寒くなると確かに寒さのために震えるわんちゃんもいます。
特に老齢であり、痩せていたりするとその可能性があります。
しかし、この震える症状は、実は様々な病気のサインであることがあります。
以下に簡単な分類と具体的な病名をいくつか挙げます。
① 生理的振戦
これは正常な体の反応であり、震えに対する具体的な治療は必要ないものです。 例えば、寒さ、恐怖、筋肉疲労、老齢などです。
②内分泌&代謝性のもの
これは体内のホルモンバランスや内臓疾患などが震えの原因となるものです。
特にこのグループによる震えは、緊急疾患であり、迅速な治療が必要となることも多いものです。具体的には低血糖、糖尿病、低カルシウム血症,高カリウム血症、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症などです。
③ 神経疾患
小脳形成不全や小脳疾患、髄鞘形成不全、大脳基底核病変,神経系に対する毒物・中毒など。
④ 筋疾患
重症筋無力症、炎症性筋疾患(感染、免疫介在性)、筋ジストロフィーなど。
治療法や予後は病気の原因によって大きく異なります。
まずは当院でご相談ください。
獣医師:村田 裕史
参考文献 SA Medicine Vol.5 No.6 2003 28 「震え・振戦」
犬・猫・エキゾチックの年齢換算
犬や猫の年齢って人間の年齢に換算すると
いくつになるの?
犬や猫をヒトの年齢に置き換える計算式は色々あります。
下表はあくまで目安ですが、愛犬・愛猫の健康管理などの参考にお役立てください。
当院では6歳(人間の年齢では40歳弱)以上の子には、一度健康診断としてドック検査を受けることをオススメしています。
わんにゃんドックについて詳しくはこちら。
犬について
犬はヒトと比べてずっと早く成長していきます。
成長の仕方は小型・中型犬、大型犬によって違うといわれています。
基本的に小型・中型犬は成長が早くて老化が遅く、大型犬は成長が遅くて老化が早いです。
また、犬種によっても違うという説もあります。
(寿命は小型・中型犬で15年、大型犬で10年ほどですが医療の進歩やフードの改良などにより昔と比べ寿命がだんだん延びてきています。)
【小型・中型犬の計算式】
24+(犬の年齢−2年)×4
最初の2年で24歳、3年目からは1年に4歳ずつ年をとると言われています。
【大型犬の計算式】
12+(犬の年齢−1年)×7
最初の1年で12歳、2年目からは7歳ずつ年をとると言われています。
猫について
猫も犬同様ヒトと比べてずっと早く成長していきます。
寿命は15年ほどですが20年以上生きる猫も多く見られます。
【猫の計算式】
24+(猫の年齢−2年)×4
そのほかの動物について
【フェレットの計算式】
【うさぎの計算式】
【ハムスターの計算式】
ジャンガリアンハムスターの計算式
ゴールデンハムスターの計算式
担当:竹田看護士 監修:春日部獣医師
× 閉じるうさぎの歯ぎしり
最近、ウー君(うさぎ・♂・2歳)が歯ぎしりします。
嫌なことでもあるのでしょうか?
普通に歯ぎしりすることもありますが、最近歯ぎしりが増えたとなると、歯が悪い可能性が考えられます。
ウサギの歯は、切歯(前歯)臼歯(奥歯)の全てが一生伸び続けます。
ところが、
・遺伝的・先天的に歯並びが悪い
・後天的にケージを齧ってしまって歯が曲がったり折れてしまった
・不適切な食事内容
などが原因で咬み合わせが正しく合わなくなることがあります。
(「不正咬合」と呼ばれる状態)
歯の咬み合わせが悪くなると色々な症状が出てきます。
① 食欲低下や柔らかい物ばかり食べる
② 歯ぎしりをする
③ よだれを垂らす
④ 涙が多くなる
⑤ 下顎のラインがゴツゴツしてくる
切歯の場合はすぐ見えますが、臼歯の場合は専門器具を使って視診することになります。 治療は全身麻酔をかけ、専門器具を使って伸びすぎた部分を削ります。
ウサギの歯は一生伸び続けるので、咬み合わせが治らない限り、その後も定期的に手入れをする必要があります。 予防方法としては、定期的なお手入れのほか、ケージを噛む癖がある場合は内側に板を張るなどの工夫がポイントになります。
また、以下の方法があります。食事の改善(牧草を与えて自然と歯が削れるようにする)や適切なペレットの硬さを見直すことです。
(エサを急に変更してしまうと、おなかの調子が悪くなってしまいますので、様子をみながら変えていってください)。
うさぎの病気予防
うさぎを飼い始めたのですが、
起こりやすい病気について教えてください。
家族の一員になった愛兎を恐い病気から守るために、起こりやすい病気を知り、しっかりと適切な予防をしてあげましょう。
過長歯(不正咬合)
ウサギの歯は、切歯・臼歯共に一生伸び続けます。通常は上下の歯が噛み合う事で正常な歯の長さを保っています。 これが、さまざまな原因で削れずに伸びて咬み合わなくなることを不正咬合といいます。不正咬合になると、歯は伸び続け食事がとれなくなります。
原因は、不適切な食事(臼歯の摩耗に必要な干し草などの不足や硬すぎるペレットなど)、外傷、ケージを噛む癖、老化、歯根の感染、遺伝など様々です。十分な量の干し草を与え、ペレット・おやつなどを適切に与えることで予防できます。
またストレスでケージを噛まないようにいっぱい遊んで上げましょう。
毛球症と鼓腸症
毛球症とは毛づくろいをして飲み込んだ毛が胃で固まり詰まってしまう病気です。ウサギは吐くことができないため、まめにブラッシングを行い、干し草など繊維質の多い食事で胃腸を動かしたり、適度な運動を心がけましょう。
鼓腸症は、歯の病気など他の病気で長時間食事せず胃腸が動かない時に細菌の異常発酵でガスが溜まって起こります。放っておくと死に至る事もありますので食欲ない時はすぐ病院に診せましょう。
足底潰瘍
ウサギは踵に全体重をかけるため、ケージ内の床が網状になっていたり、床が堅かったり、体重が重たかったりすると後肢の裏に傷ができてしまい、ひどくなると床ずれのようになってしまいます。床材や環境に気をつける他、ストレスをためたり肥満にしないよう適度な運動をさせましょう。
血尿
膀胱炎や膀胱結石のほか子宮の病気があると赤い尿がでることがあります。健康でも有色尿がでることがあり、区別するために尿検査が必要になります。
膀胱炎や膀胱結石の予防のために、カルシウムの少ない食事を与え水分をたくさん取るようにしましょう。
また子宮の病気を予防するため避妊手術をしましょう。
その他
ウサギは我慢強い動物です。おかしいと思ったらすぐ病院に相談しましょう。とくに子ウサギが下痢をした場合は要注意です。
シニアライフ
シニアライフとは?
現代のペット社会は、良質のフード、獣医学の進歩、飼育環境の変化、飼い主さんの知識・意識向上などから人間同様に長寿傾向にあります。 その一方で老化に伴う病気も増えてきているのも事実です。
急に怒るようになった、できていたことができなくなった、そんなときは叱りつけるだけでなく、その子の変化に気を配りましょう。
目が見えにくかったり耳が遠くて恐いのかもしれません。どこかが痛くて神経質になっているかもしれません。もしかすると痴呆の症状ではありませんか?
病気の早期発見・早期治療はもちろん、病気の予防や痴呆(ボケ)防止も含め、快適なシニアライフを送れるようお手伝いさせていただきます。
シニアライフ=老後や末期のケアは、単に命を長引かせるものではなく動物の生活の質(QOL)を向上させ、動物たちと家族が有意義な時間を過ごすためのものです。
シニアだとどうなる?
観察ポイント
毛や皮膚の検査
若い頃に比べて色が薄くなった…なんてことありませんか?
動物も年とともに白髪がでてきます。全身真っ白って事はないでしょうが、見た目には老けた感じがするでしょう。
一方で脱毛は起こりません。病気ですので早めに診察を受けましょう。
その他、毛づやにも気を配りましょう。
腫瘍ができていないか、表面だけではなく皮膚の下も観察しましょう。
口の中や目・肛門周囲も見落としがちですが、腫瘍がよくできる場所です。
体型
どんなにしっかり食べていてもやせてきたり、そんなに食べていないのに太ってくるのは、甲状腺や副腎等のホルモンの病気や癌など慢性疾患の可能性があります。 また、病気でなくても肥満は万病の元です。
肥満の5段階評価(犬猫共通)
食欲
食欲がないのは歯周病や内臓疾患などの病気かもしれません。
逆によく食べていても、実は異常な食欲ということもあり糖尿病やホルモンの病気などがあります。
際限なくフードをほしがる場合、痴呆の可能性もあります。変化を見逃さないように気をつけましょう。
また、食欲はあっても、その後吐くようなら早く受診しましょう。
口臭
歯石の沈着による歯周病、口内炎があると口臭がきつくなります。
歯石だけでなく、腎臓病や糖尿病、ウィルス感染など、他の病気が原因で口内炎になることも多いため、症状に気づいたら早めに受診しましょう。
飲水量
糖尿病、腎臓病、ホルモンの病気等があると、多量の水を飲み、多量の尿を出す、多飲多尿の症状が続いて認められます。
疑わしい場合は一度飲水量を計ってみたり、病院で尿検査をするなど相談しましょう。
便・尿の状態
飲水量に伴う尿量のほかにも便・尿の出方も観察しましょう。
去勢していない雄犬では前立腺が肥大して、尿漏れや排尿異常が見られる場合があります。
前立腺が直腸を圧迫するようになると排便障害やしぶりなどが生じることもあります。
その他、血液が混じると尿・便の色や臭いが変わることもあります。
運動量
高齢になると寝ている時間が長くなります。
しかし、運動を嫌がったり、元気がない場合は、老化だけでなく、慢性病の進行の他、関節が痛くて動かない、白内障や核硬化症により目が見えにくいから動くのが怖い、爪が伸びすぎて滑るため歩きにくいなどが潜んでいることもあります。
一度、獣医師に確認してもらいましょう。関節や目に良いサプリメントが動物用でも販売されており有効なことがあります。
呼吸が荒い、咳をするなどを伴うようなら、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
行動の変化
早期発見・早期治療
まずは飼い主さんによる日頃の観察が一番です。
しかし、心臓や内臓の変化は表に出にくく、気づく頃には進行している場合があります。
6歳を過ぎた頃から年に一回はわんにゃんドックを受けることをおすすめします。
予防
食餌管理
まずは
①良質なシニアフードを、
②適切に(その子にあった量と回数)、
③与え方を工夫することで予防しましょう。
治療(進行予防)にはサプリメントのオメガ3,5,9,等、老齢期に有効といわれる製品を当院でも使用しています。
刺激
適度な運動やマッサージ、スキンシップ、ブラッシングなどで老いない体と頭を作りましょう。
散歩は関節炎の進行を遅らせたり、寝たきりを防ぎます。
また、歩けなくなった犬でも、抱っこ散歩で外界の刺激を受けることが痴呆の遅延効果をもたらします。
日光浴により夜鳴きの軽減も期待されます。
環境の整備
痴呆でくるくる回ってしまう場合は、ぶつかってケガをしないように円形のサークルの利用が効果的です。
また、関節に負担のかからないよう、滑り止めマットをひいたり、小まめな爪切りをするのも良いでしょう。
排泄の上手くできない子では皮膚に汚れがついてしまい炎症を起こすことがあります。
オムツを使用していても清潔にする事を心がけましょう。
寝たきりの子では、オムツよりもペットシーツですぐに変化に気づけるように、またコマメな体位変換で床ずれを予防しましょう。
散歩の時にしか排泄をしない子はシニア以前から屋内での排泄を教えておくのもいいかもしれません。
ワクチン接種などの予防医療
高齢になると免疫力も弱ってきます。
しっかりとした予防スケジュールをたてることで、防げる病気は確実に防ぎましょう。
※なりやすい病気
白内障、歯周疾患、慢性心不全、糖尿病、変形性関節炎、痴呆、子宮蓄膿症(雌犬)、乳腺腫瘍などの腫瘍、慢性腎不全、慢性肝炎、
副腎皮質機能亢進症・低下症、甲状腺機能低下症(犬)、甲状腺機能亢進症(猫) 、前立腺肥大・肛門周囲腺腫(雄犬)、胃捻転(大型犬)など
担当:小村獣医師 監修:春日部獣医師
× 閉じるHOW TO ベストショット
ペットの写真をうまく撮るにはどうすればいいですか?
プロの写真家に聞く、あなたも撮れるペットのベストショット!
TVコマーシャルや雑誌、広告印刷物などで、たくさんの鳥や犬や猫などが登場していますが、うちのわんちゃん、猫ちゃんのほうがもっと可愛いよ…と内心思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
ここではプロカメラマン藤原忠さんに教えていただく、可愛いペットをより可愛い写真に撮れる秘訣を紹介します。
まず写真を撮るための基礎知識
ISO(イソ)感度
ISO感度とは、カメラが感じ取る事が出来る光の量の大きさを表す数値です。
この数値が大きいと、下記の様なのメリットがあります。
「暗い所でも明るい写真が撮れる」「手ぶれをおさえれる」「動くものをぶれずに撮れる」
しかし良い事ばかりではなく、数値が大きければ大きい程ノイズが入りやすくなります。
綺麗な画質で撮りたいのであれば数値を下げ、シャッタースビード/絞りで調節するなど、
自分が撮りたい写真の内容に合わせて調節しましょう。
シャッタースピード
シャッタースピードとは、その名の通りシャッターが切れる時間の早さを言います。
シャッタースピードが早ければ、止まっているように撮れ、遅ければ、ぶれやすくなります。
またシャッタースピードは写真の光を取り入れる時間の長さでもあります。
早ければ写真が暗く、遅ければ明るく撮る事が出来ます。
被写体の動きや絞りなどを調節し、自分が撮りたい写真の内容に合わせた早さを決めましょう。
絞り
絞りとは、レンズの中にある「絞り羽根」の形状の変化により、光の量を調整する役割をいいます。
絞る数値を大きくすれば、光がレンズに入る隙間が小さくなるので暗くなり、数値を小さくすれば明るくなります。
また、絞りの最も特徴的なところとして、絞りの数値を小さくすると、ピントの合う範囲が狭くなります。逆に数値を大きくすると、ピントの合う範囲が広くなります。
全体にピントが合っている写真が撮りたいのであれば、数値を上げてピントを絞り、被写体だけにピントを合わせたいのであれば、数値を下げて絞りを開けるなどし撮影意図により最適なシャッターと絞りの組み合わせを選ぶ必要があります。
また、撮影条件により、シャッターと絞りの組み合わせ、ISO感度の設定も考慮しましょう。
以上の内容を踏まえ、様々な疑問にお答えしていきます。
撮ったらシッポだけしか
写ってなかった
チャンスだと思ってシャッターを押したのに、ペットが突然歩き出してしまって、狙いが外れてしまった。あるいは走り回るワンちゃんを撮ったら、画面からはみ出してしまうなんてことはよくあります。
カメラによってはシャッターボタンを押してから実際シャッターが切れるまでにかなり待たされる機種があります。このタイムラグの影響を受けないための具体的な対策と、シャッターチャンスを逃さない方法としては、オートフォーカスをうまく働かせる方法などがあります。
また、置きピンや流し撮り、追い撮りなどのテクニックを駆使すればワンランク上の写真が撮れるようになります。
AF(オートフォーカス)設定は、素早くピントを合わせることができるのでチャンスを逃しません。
置きピン
あらかじめ③の位置にピントを合わせておき、わんちゃんが③まで近づいてきたらシャッターを切ります。
流し撮り・追い撮り
動く被写体合わせて、撮影者は動かずカメラを動かして撮る方法です。
被写体のわんちゃんは止まっていますが、背景はブレて撮れるので躍動感のある写真が撮影出来ます。
ボケボケ、ブレブレになってしまった
よくボケている写真と言われるものに。ブレている写真が占める割合が多いものです。 このミスを防ぐためには、できるだけ速いシャッタースピードを選ぶ、正しいカメラの構え方で手ぶれを防止することや、オートフォーカスをうまく使ってしっかりピントを合わせることが重要となります。
暗すぎる写真になってしまう
ISO感度、シャッター、シボリの関係を十分に理解してシャッターを押しましょう。
ペットを撮影する際に、特に注意しなければいけない状況として、窓などや明るい光を背景にした黒い被毛の犬や猫を撮影する場合、また、まるっきり逆で夜などの暗い背景で、白い被毛の犬や猫を撮影する場合などです。このような状況では,カメラの露出計の設定を調節しないとペットの表情や自慢の毛並みをうまく表現してくれません。
また、露出補正という方法があり、これでより適正な明るさを得る事ができます。
カメラは、写真全体の明るさを自動的に合わせてくれますが、 それが逆効果で、見た目より暗かったり、明るすぎたりする写真になる時があります。こんなときは露出補正で、撮影者がカメラに明るさを指示します。見たままの明るさで撮るために、写真全体を明るくしたり(プラス補正)、暗くしたり(マイナス補正)します。
ペットが小さく写ってしまった
いい写真を写すために大切なことは沢山ありますが、ペットの可愛いい表情や仕草にばかり気を取られて画面全体を見ないでシャッターを押しているようでは良い写真は撮れません。
出来上がった写真に周りのいらないスペースがいっぱい。なんてことの無いようグルっと画面を見渡して、フレーミングやアングルについて考えてから撮りましょう。
もちろん良いところだけを後からトリミングという手もありますが、それでは限られたデータを有効に使えなくクオリティーを落としてしまうことになってしまうため注意が必要です。
アングルを変えることで、被写体の猫ちゃんも大きく、遠近のある写真が撮れます。
色が変
蛍光灯の下でワンちゃんを撮ったらなんだか全体的に緑色になっていた。なぜこのような写真ができあがるのでしょうか?それは、ホワイトバランスの調節が失敗しているからです。
朝夕の光、昼間の光、日陰の天空光はそれぞれ色が違います。他にも電球/蛍光灯、など様々な色の光のもとで写真を撮る事があります。
本当の色を表現するためには、 ホワイトバランスを正して撮る必要があります。。
昼間・曇り・室内・電球など、設定と撮影状況を合わせましょう。
ワンちゃんをバックの風景から引き立たせたい
主役はもちろんワンちゃんなのですが、 背景のよけいなものまでばっちりピントが合っていてイマイチ。背景が綺麗にボケていて味のある写真が撮りたいな。このような悩みを解決するためには、 シボリとボケの関係を理解することが大切です。
また、望遠レンズを用いるとその効果は大きく、さらにバックの風景をボカして撮る事ができます。
いつものかわいい表情が撮れていない
雰囲気作りや身繕いが大切な要素です。せっかく良い表情や可愛い仕草が撮れたのによけいなものが一緒に写っている、目やにがついていたのではせっかくの写真が台無しです。
また、カメラを向けるとすぐに逃げてしまう場合には、日頃からカメラを持ったらペットを褒めたり、ご褒美をあげたり、遊んであげて写真を撮る良い事があると躾けると良いでしょう。
大きくプリントしたらボケている
画素数やjpg/tif等の画像保存形式について理解することが大切です。
カメラは限られた画素数で、画像が形成されています。限りある画素を最大限に有効活用しましょう。また、保存方式を理解して、適切な保存で大切な画像を残しましょう。
変わった写真を撮ってみたい
カメラアングルを極端に変えてみたり、魚眼レンズなど特殊レンズを使うなど面白い写真を撮る方法にトライしてみましょう!